値引きに負けない!交渉力で“価格を守って売る”営業術とは?

「もう少し安くならない?」
「他社はもっと安いですよ?」

こうした言葉にドキッとした経験、ありませんか?営業や販売をしていると、値引き交渉は避けて通れません。とはいえ、毎回値引きしていては利益が削られるばかりか、「安くしないと売れない人」として信頼も失いかねません。

ではどうすれば、値引きせずに納得して買ってもらうことができるのでしょうか?
カギは「交渉力」と「価値の伝え方」にあります。

値引きされない人と、される人の違い

まず知っておきたいのが、「なぜ値引きを要求されるのか?」という根本の問いです。以下のような場合、値引きをされやすくなります。

・価格と価値のバランスが相手に伝わっていない
・競合と何が違うのか説明できていない
・提案内容が不明確・あいまい
・相手に「価格交渉できそう」と思われている

逆に、値引きされにくい人はこんな特徴があります。

・「この価格には理由がある」と説明できる
・相手の課題に対してピンポイントな解決策を提示している
・自信を持って価格を提示している
・提案全体に“安っぽさ”がない

つまり、値引き交渉を防ぐには、価格の話をする前に「価値を伝える交渉」ができているかがカギなのです。

値引きに頼らない営業のための交渉力3つのポイント

1.「価格」より「効果」を語る

たとえば20万円のプログラムを売るときに「内容は充実してます」と言っても、金額だけが印象に残りがちです。

それよりも、

「このプログラムで営業成績が月30万円改善した例があります」
「時間短縮により、社員1人あたり月10時間の業務削減に成功」

など、価格よりも得られる結果や効果(ベネフィット)を先に伝えることで、価格は“高い”のではなく“価値がある”ものになります。

2. 「比較」ではなく「違い」を強調する

顧客が値引きを求める最大の理由は「他と比べて高い」と感じるときです。しかし、比較に乗るのではなく、

「○○社さんは確かに価格は安いですが、弊社はアフター対応が○年間ついています」
「この素材は弊社独自のもので、類似品とは耐久性が違います」

というように、他社との“違い”を具体的に示すことが交渉の武器になります。
価格ではなく「選ぶ理由」を提示しましょう。

3. 価格は“最後”に話す

交渉の鉄則の一つは「価格は最後に」。
最初に価格の話をしてしまうと、相手はその価格を基準に価値を見てしまいます。

まずは課題のヒアリング → 解決策の提案 → 価値の確認、というプロセスを踏み、その上で価格を提示することで、

「この内容なら妥当だ」
「むしろ良心的」

という印象を与えることができます。
価格は“判断材料”ではなく、”納得材料”に変えるのがポイントです。

値引き要求されたときの切り返しトーク例

営業や販売の現場では、どうしても値引きの言葉は出てきます。そこで重要なのが、即座に応じるのではなく、きちんと立ち止まって説明する姿勢です。

以下、よくあるシーンでの返し方をご紹介します。

「もうちょっと安くなりませんか?」への対応例
「お気持ち、よくわかります。ただ、この金額には●●のサポートや●●の仕組みも含まれていて、単なる商品の価格以上の価値を意識して設計しているんです」

「他社はもっと安いって言ってたよ」への対応例
「確かに価格だけを見るとそうかもしれません。ただ、私たちはアフター対応や品質保証を重視していますので、トータルの満足度では自信があります」

「あと1万円下げてくれたら即決します」への対応例
「ありがとうございます。もし1万円の差でご判断されるのであれば、それ以上にご納得いただけるポイントがあると思うので、もう一度ご説明させてください」

大事なのは、”値段の話を「そのまま価格だけの話にしないこと」”です。
相手の「なぜその価格が気になるのか」に耳を傾け、価格の裏にある価値や理由を丁寧に伝えることが、信頼を育てる交渉術です。

値引きなしでも売れる人がしていること

実際に「一切値引きしないけど売れている人たち」は、次のような営業スタイルを実践しています。

・提案書や話し方に論理と構成がある
・商品・サービスだけでなく、自分自身への信頼を得ている
・初回から堂々と定価で話す(”値引きありき”の雰囲気を出さない)
・お客様に合った情報の“選び方”が上手い
・売ろうとするのではなく、”選ばれる準備”をしている

つまり、交渉とは「勝ち負け」ではなく、「納得」のプロセスなのです。

まとめ

値引きなしで売れるようになると、営業はもっと楽しく、戦略的になります。
価格を守るとは、利益を守ること。自信を持って価値を伝える交渉力は、あなたの武器になります。

次に値引き交渉を受けたときは、ぜひこう考えてください。

「価格を守ることは、お客様にも誠実であること」
「安く売るより、“選ばれる理由”を語ろう」

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