鎖肛で子育てが辛い?それも最初だけ。親の慣れと子供の成長

プロフィールにもあるように、我が家の息子は鎖肛という病気で誕生しました。
まぁ、お尻の穴がないと医者に言われてもピンときませんでした。
事の重大さに気が付いたのは、大きな病院で入院し手術を受けなければならないという事を知ってからだったのです。
今回は、鎖肛で子育てが辛い?それも最初だけ。親の慣れと子供の成長についてお伝えします。

知らない事への不安


大人になっても、何か知らない事が起これば不安になります。
ほんの数年前の新型コロナウイルスが良い例です。
マスクを付けて外に出なければならない、ロックダウンによりアメリカなどでは外出さえ許されない非常事態が起こりましたし、全世界で多くの方が亡くなりました。
しかも、理解が出来ないウイルスの存在。
ワクチンを待ち望んだのも懐かしいです。
今となっては、インフルエンザと同等の病気へと格下げされ、不安を抱えて生活している方は少ないのではないでしょうか。

このように、知らない事への不安は絶望感であったり、焦燥感をもたらす厄介な存在なのです。

そして、我が家に誕生した第一子の男の子のお尻には、穴(肛門)がありませんでした。
綺麗に肌が塞がっていました。

普通あるものがない。というのは、目で見ても理解が及ばなくなるのです。
何が起こっているのかも、どうするべきなのか分かりません。

そのため、お医者さんのいう事を聞くだけです。
それも、理解できずに、理解したフリをするしかないのです。

そして、出産1時間後には、運よく大きな病院へ転院することが決まりました。
それでも、その病気【鎖肛(直腸肛門奇形)】がどのようなもので、どうなるのかの不安しか残りませんでした。

大きな病院についた後に、スマホで情報を調べ、約5千人や8千人に一人の割合でなる病気と知りました。
これが多いか少ないかも判断できません。初めての赤ちゃんなのですから。

ただ、お医者さんや看護師さんたちも慌てる様子もありません。
それだけ、この症例をいくつも見てきているから。という事も、後々知りました。

ですが、手術が必要・しかも何度も。そう知って不安にならない親はいません。
これが知らない事への不安であり、焦りなのです。

手術を経て強くなる親と子


我が子の検査結果で障害があったのは鎖肛だけではありませんでした。
これは、鎖肛などの病気があると、他の箇所にも異常を持って生まれるケースが多いとも知らされました。
自分が大掛かりな手術を生まれてこの方、受けたことが無かったので、生まれた翌日に手術が控えているなんて、ビックリです。

そこから、何回も何回も、手術に耐えていく姿を見て、申し訳がない・可哀そうといった感情が無かったと言えば嘘になりますが、手術を経て成長していく我が子を見ていくと、その不安もどんどん取り除かれていきます。

一方で、自分の出来ることが出来ないへの理解に苦しみが生まれました。
おしっこやウンチ。
排泄に対してのイメージを自分と同じ様に持ってはいけないのですが、ちゃんと言わない・ちゃんと出来ないことに対しての、葛藤や怒りも生まれてきました。
これは、自分に対しても、息子に対してもです。

ウンチが漏れちゃったことを、すぐに言い出せないのは、お父さんが怒るから・怖いから。
そういった思いをさせてしまった事もありました。
そして、お尻が被れて真っ赤になったり、、皮膚科にもお世話になりました。

後々になるのですが、子供への怒りを持つことは良くなかったと思いました。
そもそも、会話のボキャブラリー・生きてきた年月の違い。そういったことを考えずに「ちゃんと」「正しく」というものに固執し過ぎている。と妻から教え・叱られました。

最初からできる子供がいるわけない。出来なくても出来るようになる。
そう、信じていけない時期があったのが、いま思いかえすと申し訳ないです。

そうして、子供と共に成長していくのが子育てであると今は知っていますが、当時はそれすらも出来ていない父だったと思います。

そして、子供は勝手に成長していった!


幼稚園から小学校に上がり、ウンチが漏れてしまう回数が減っていき、パンツにウンチが少し付いていることがあっても、漏らす様な事が驚くぐらいに無くなります。
これは、本人の意識の変化もありますし、体の成長・知能の成長が考えられます。

ウンチを漏らすのは恥ずかしいけれど、トイレでウンチをすることは恥ずかしい事ではない。
この2点を本人が自覚したのでしょう。

また、ウンチをするには、浣腸液やブジーが必要でした。
浣腸液は未だに使いますが、ブジーも小学校に上がり卒業しました。

そして、1年の2学期の終わりを迎える頃に、自分で踏ん張ってウンチを出すということができる様になっていました。
お腹が痛いからトイレに行く。大人や子供が言う行動が、出来る様になったのです。

今までは、トイレに行くこと・便意を把握できず漏らしていましたが、それが分かる様になり、自分で率先してトイレに向かう様になったのです。
鎖肛を持った子どもを育てる親御さんにとっては、これほど驚く瞬間はないでしょう。

こんな感じで、子供が成長すると子供がどうすれば良いのかを考える様になります。
全部に対して不安だった頃を思い出すと、いかに親として未熟だったと感じます。
そして、この病気が親として・人として成長させてくれたんだと知りました。

まとめ

鎖肛などの病気を抱えて生まれてくる赤ちゃんは沢山います。
五体満足であれば嬉しいと願うのは当然です。しかし、そうならないケースもあります。
新生児集中治療室(NICU)にいるお子さん・親御さんもたくさん見ました。
うちの子もその一人でした。

しかし、お医者さんのおかげ・子供の頑張りの甲斐もあり、現在、元気に成長してくれています。
不安や焦りなど、たくさんの感情を抱き、さまざまな事を経験しました。
妻にも子供にも嫌な思いも沢山させてしまったと思います。

ですが、その過程でも、家族を愛しているの、一点だけはブレませんでした。

もし、同じような境遇のパパがいましたら、まずは、奥様にまかせっきりではいけません。
自分で調べない・知ろうとしない・携わろうとしない。
このような行動をしてしまっては、将来的にどれだけ奥様になじられても仕方がないです。
一生言われる覚悟があるのであれば、どうぞ!といった感じです。

まず、赤ちゃんも0歳であれば、パパもママも親0歳児。
赤ちゃんのいる生活・病気に関する知識も0から始まります。

さまざまな不安や焦りがあって当然です。
なので、どんなことでも知ろうとしましょう。
子供のためにできることは、パパもやりましょう。
そして、夫婦助け合っていけば、子どもはしっかりと成長してくれます。

この経験は、私の子育ての一部でしかありません。
必ずしも皆さんの子育てに適しているとも言いませんし、参考にしてほしいとは思いません。

ただ、子供を授かった時に、絶対に不安を抱えていると思います。
だからこそ、ママとのコミュニケーションをたくさん取って、情報交換・意見交換することが大事なのです!
仕事で疲れたと寝てしまうのではなく、子供の事・家族のことをたくさん話し合うことが大切です。

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