
営業は「人との関係」だけではありません。成果を上げる営業には、論理的に物事を考える力(ロジカルシンキング)が欠かせません。
提案の組み立て、ヒアリング内容の整理、クロージングまで、すべての営業プロセスにロジカルさが求められる時代です。
今回は、営業職に特化した「ロジカルシンキング研修」を中心に、育成プログラムとしてどのような構成・効果があるのかをわかりやすく解説します。
なぜ今、営業にロジカルシンキングが必要なのか?
私もフリーランスとして、働いているからこそ、営業力も不可欠となっている状況です。
なので、ビジネス書やビジネス関連のネット記事を読む機会も少なくはありません。
そして、現在の営業スキルにも変化が起こっており、かつては「人当たりの良さ」「根気」「気合」といった、いわゆる“情熱型”のスキルが求められるイメージがありました。
ですが、現在では以下のような変化が起こっています。
・顧客の課題が複雑化
・提案内容の差別化が必要
・インサイドセールスやオンライン商談の増加
・数字に基づいた合理的な説明力が求められる
つまり「論理的に考え、構造的に話す」ことが、営業成果に直結する時代になったのです。
ロジカルシンキングとは何か?営業にどう役立つの?
ロジカルシンキングとは、物事を筋道立てて考え、矛盾なく伝える力のこと。営業シーンでは以下のように活用されます。
・顧客のニーズを論理的に整理し、課題の本質を見極める
・提案の構成を「なぜその提案か?」が明確な形にまとめる
・上司やチームへの報告資料を、要点と論拠でわかりやすく作成する
・競合との違いを、感情ではなくデータと論理で説明する
いわゆる「できる営業」は、実は自然とこの思考法を使っています。だからこそ、若手・中堅営業への体系的な研修が有効なのです。
営業向けロジカルシンキング研修の育成プログラム例
営業現場で使えるロジカルシンキング研修の一例をご紹介します。おおよそ1日~2日で完結する構成が一般的です。
Step 1:ロジカルシンキングの基本理解
・ロジカルとは何か?を明確に理解
・感覚的思考との違い
・フレームワーク(ピラミッド構造、MECE、ロジックツリーなど)
Step 2:営業活動での応用
・ヒアリング情報を構造化する練習
・顧客課題→提案理由→価値の構成
・実際の営業シナリオでロールプレイ
Step 3:資料作成・プレゼンテーション編
・論理的な資料作成(PREP法、結論先行型の構成など)
・話し方トレーニング:無駄のない説明力を鍛える
Step 4:フィードバック&振り返り
・トレーナーからの構造・論点チェック
・他者とのディスカッションを通じた思考の多様性理解
・受講者自身による振り返りと今後のアクション整理
導入企業の声:「営業の質が上がった」「提案の説得力が違う」
実際にこのような研修を導入した企業では、次のような反響があるようです。
「若手営業が“話しやすくなった”だけでなく、提案内容の質が格段に上がりました」(IT系企業)
「個人の思考が整理され、チームとしての資料や商談精度が上がりました」(人材サービス会社)
「感覚的だった報告が、数字と仮説で説明されるようになり、マネジメントがしやすくなりました」(製造業)
成果は売上だけでなく、社内の報告・改善プロセスの質にも波及する傾向にあります。
成果を出すために重要な「実践形式」と「反復」
ロジカルシンキングは、知識だけでは身につきません。実際の業務や商談に即したトレーニングと、何度も繰り返すことで初めて定着します。
特に営業職向けでは次のポイントが重要です。
・実際の提案資料・顧客事例をもとにワークを行う
・研修後のフィードバック(1on1やOJT)と連動させる
・管理職層にも「ロジカルに評価する視点」を持たせる
ロジカルシンキングは「思考の筋トレ」です。一度研修を行っただけではなく、継続的な育成設計がカギになります。
まとめ
営業の現場では、ただ“がんばる”だけでは結果が出にくくなってきました。顧客の信頼を得て、納得してもらうには、感情ではなく「論理」の力が求められています。
ロジカルシンキングを身につければ、営業はより戦略的に、そして自信を持って動けるようになります。
これからの営業育成は、「考え方の育成」から始めてみることも大事なんですね!