
子育てをしていると、どうしても子供に対して腹立たしさを感じたりすることもあるのではないでしょうか。
まだ、自分自身が未熟なのかもしれませんが、歯がゆくなったりもすると思います。そして、叱りつけることも度々あります。
今回は、「しつけ」とは、子どもを“厳しくすること”ではなく、“生きる力を育てること”についてお伝えします。
なぜ親は怒ってしまうのか?
子供の行動の中には、どうしてそんなことをするの?してしまうの?
と、不思議に思う事も沢山あります。
その都度、注意して気付かせなければなりません。
しかし、一度や二度の失敗ならまだしも、毎日同じミスを続けていると、腹立たしさを感じたり、怒鳴りつけてしまうこともあるでしょう。
これは、良くない事と感じながらも、怒ってしまい、後々なんであんなに大きな声でりつけてしまったのだろうと疑心暗鬼になってしまうことも。。
ですが、ここで我が子のためだと思うと、どうしても厳しくならざる負えないケースもあるかと思います。
たとえば、道路を歩いている時に、曲がり角を注意せず飛び出してしまったり、横断歩道をふざけながらわたっている様子を目の前でみれば注意する親が多いことでしょう。
これは、曲がり角から急に車や自転車などが飛び出してくる可能性があるため、しっかりと注意しなければ、我が子が命を落としかねない状況に陥るため、しっかりと「しつけ」なければなりません。
子どもにとっては、その危険度という秤が備わっていないため、痛みや苦しみを知らないがゆえにミスしてしまうのです。
だからこそ、親はそのミスをした瞬間に注意する必要性があります。
ただし、そこで、大声で怒鳴っても「また怒っているや!」ぐらいに捉える様にもなるので、注意にもメリハリが大事なのです。
しつけ=厳しいではない!
我が子のために「しつけ」は大事ですが、自分が楽したがために怒鳴りつけたりするのは、「しつけ」ではないということを知らなければなりません。
子供も、怒られても親に嫌われたくないから謝ったり、ヘラヘラ笑ってその場を収めようとします。
そうしていれば、親の損ねた起源を少しは回復させることができるからこその、処世術でもあるのです。
では、一方で親は子供の失敗をなんでも怒鳴りつければ、失敗が減るのか?というと、そうでもないですよね。
地道に根気強く諭していく必要があるのです。
また、厳しくすれば子供は成長すると考えるのも危険です。
子供は怒られたくないから無駄に親の顔色を見る様になって、自我を押し殺してストレスを溜めていってしまいます。
親にとって都合が良いかもしれませんが、子供の発育にはマイナスにしかなりません。
かといって、放置しすぎれば、忘却武人の物知らずの世間知らずな子供となり、人に迷惑を掛けてもどこ吹く風。
何にも感じない子供に成長する恐れもあるので、放置する手段も良くありません。
"しつけ"は生きる力を育てること
しつけとは、ただルールを教え込むことではありません。
本来の目的は、子どもが自分の力で判断し、自立して生きていけるように導くことにあります。
たとえば、「あいさつをする」「順番を守る」「ウソをつかない」などの基本的な行動は、すべて社会で人と関わりながら生きていくための大切な力になります。
これらを身につけることで、子どもは将来、学校や職場、家庭など、さまざまな人間関係の中でうまくやっていけるようになります。
そしてその力は、一朝一夕で身につくものではありません。
毎日の中で、親が一つひとつ丁寧に教え、時に励まし、時に反省させながら、「人として大切なこと」を少しずつ体得させていくプロセスがしつけなのです。
子どもは「怒られた理由」を理解してこそ成長できる
感情のままに怒るのではなく、「なぜそれがいけなかったのか」「どうすればよかったのか」をしっかり伝えることが大切です。
たとえば、
「なんで勝手に飛び出したの!」ではなく、
「今、車が来てたら大けがしてたかもしれないよ。命に関わることだから、必ず立ち止まって確認しようね。」
というように、「怒る」ではなく「伝える」姿勢が重要です。
子どもはまだ未熟なので、すぐには理解できないかもしれません。
でも、丁寧に何度も繰り返していくことで、「なぜいけなかったのか」「どうすればよいのか」を、少しずつ自分の中に落とし込んでいけるようになります。
しつけの根底には「愛」がある
叱ることも、諭すことも、すべては「あなたのことを大切に思っているから」というメッセージでなければなりません。
しつけが厳しさだけになってしまうと、子どもは「自分はダメな子なんだ」と自己否定に陥りかねません。
反対に、しつけの中に愛情が込められていれば、子どもは
「お母さん(お父さん)は、ちゃんと自分を見てくれているんだ」
と感じ、自信を持って成長していくことができます。
ですから、怒ったあとには必ず、「あなたのことが大事だから伝えているんだよ」と一言添えることを忘れずに。
その一言が、子どもにとっては大きな支えになります。
まとめ
子育ては、思い通りにいかないことばかりです。
何度言っても伝わらないこともあるでしょうし、時には自分の未熟さに落ち込むこともあると思います。
でも、「しつけ」とは完璧な親になることではありません。
子どもの成長に伴って、親も一緒に悩み、考え、成長していく過程そのものです。
焦らなくていい。
一つずつでいい。
今日できなかったことが、明日少しでもできるようになれば、それが大きな一歩です。
しつけとは、厳しさではなく、「子どもを信じ、未来に希望を持って育てること」。
それこそが、子どもにとっての「生きる力」となり、やがて自分の足でしっかりと立ち、歩んでいくための土台となるのです。